Column

税理士によるコラム

コロナ禍で困窮した場合の相談窓口とやるべきこと
2020.07.22 スタッフ

コロナ禍でかつてない状況が続いています。
今回はコロナ禍で生活資金に困った際の相談窓口とやるべきことを個人の方向けに記載しています。
普段でしたら必要な要件なども緩和されていて申し込みやすくなっていますので、生活を立て直す手掛かりになれば幸いです。

【目次】

1.社会福祉協議会でお金を借りる
2.住居確保給付金に申し込む
3.後に出来る支払いは後に回す
4.カード払いは最後の手段と心得る


1.社会福祉協議会でお金を借りる



失業した時に真っ先に頼ってほしい場所、それは社会福祉協議会です。
役所とは別の場所にあることが多く、北九州市ですとウェル戸畑の中にあります。

普段身近でないかもしれませんが困った時にはとても心強い機関です。

活用をお勧めする理由は、無利子無担保の貸付である事、
また失業中だとたとえ内定が出ていても消費者金融等はお金を貸してくれないからです。

社会福祉協議会はコロナ対策支援として、緊急小口資金と総合支援資金の二種類の貸付を行っています。
北九州市社会福祉協議会

どちらも無利子無担保、かつ保証人も不要です。
緊急小口ならば最大20万円まで、総合支援ならば1ヶ月20万円(単身世帯は15万円)までを最大3回連続で貸付してくれます。

ここでの貸付を受けるときの留意点としては、
①.二種類とも申し込むならば緊急小口→総合支援の順で借りる事
②.申込後に審査を経て振り込みが行われるのに緊急小口は7-10日、総合支援は2週間程かかりますので、申し込みを早めにすること
です。

コロナ禍で失業したけれど自己都合扱いにされてしまい中々失業保険が下りない、
内定は出たものの就職に伴い引越しや車の購入などまとまったお金が必要になった、
など、失業中「金銭的に困っているのにどこからもお金を借りられない」という状態になることがあります。

そのようなときには一度活用を検討されてください。
お金の見通しがたてば、きっと生き抜く気力にも繋がります。


2.住居確保給付金に申し込む


生活における家賃の負担割合は大きいものです。
家賃の支払いについて大家さんや保証会社に相談するのも手ですが、あまりいい顔はされないでしょう。
逆に、10万円の定額給付金が入るならば支払いを家賃に回してくれと言われるかもしれません。

そんなときに活用したいのが住居確保給付金です。

世帯人数や預貯金の額によって受給できるか、また支給額がいくらかは変わりますが、
原則3ケ月(最長9ケ月)、家賃(の一部)を自治体から大家さんに直接支払ってくれる制度です。

家賃相場と比べると支給の上限額が一般的な家賃額の6割程度に設定されているため、
多くの場合で家賃の一部支給という形になるかと思いますが、月々の家賃負担をやわらげてくれます。

家賃の支払いが浮いた分他の事にお金を使えるので、中長期的な生活設計の助けになります。

住居確保給付金コールセンター電話番号:0120-23-5572


3.後に出来る支払いは後に回す


いつかは支払わなければならないけれど、今支払わなくても衣食住には影響しないものは延滞を検討するのも一つの手段です。
現時点で支援策として挙げられているのは以下の支払いです。

国民健康保険 ※北九州市版
国民年金
後期高齢者医療制度の保険料 ※北九州市版
介護保険料 ※北九州市版
住民税等 ※北九州市版
水道光熱費 ※北九州市版
・携帯電話
NHK
 
その他にも、支援策にはないけれど支払いの延長を申し込みたい料金(保育料など)がある際には、
①.延滞をする前に相談する
②.支払う意思を示す
③.支払いが難しい理由を説明する
④.支払いが再開できそうな見通しをたてる(半年後から月に5千円ずつ分割でなら支払えるなど)
を意識し、各担当の窓口に行って相談しましょう。

受付窓口が一つでないので煩雑ですが、大勢の方に誠意が伝われば、それだけたくさんの支払いの道筋がみつかるはずです。


4.カード払いは最後の手段と心得る


そうはいっても目の前の支払いが出来ないと生活が立ち行かない…といったときにカードでの支払いは有効です。
貸付の審査が通るまでの一時的な支払い手段などと割り切って使われるのであれば問題はありません。

ただ、カードの支払いが出来ずに分割払いやリボ払いを使ってしまうと、上でご紹介した貸付制度に比べて非常に割高な手数料や金利がかかります。
元本に対し、分割払いで12%、リボ払いで15%、支払が余分に必要になります。

特にリボ払いは支払額が定額なので、知らず知らずのうちに元本は減らずに利息のみの支払いが延々と続くいう事態になりやすいです。
高い金利をつけて支払を先延ばしにするだけですので、できれば使わずに最後の手段として残しておいてください。

コロナ禍が終息する日まで、様々な手段を使って生き延びましょう!


(このコラムは作成日現在の法令・関係規制等をもとに作成しております。)

執筆者:阿久根咲希

執筆者

スタッフ