Column

税理士によるコラム

特別受益がある場合の遺産分割
2020.05.16 相続住田吉盛

 

「お兄ちゃんはたくさん援助して貰って、私は余りして貰っていない!」

遺産分割を行っている家族の会話から100%聞く口葉です。

共同相続人が特別受益を受けているのに、それを考慮することなく相続時の遺産を法定相続分に応じて分割するとしたら不公平ですよね・・・私もそう思います!

 

民法では共同相続人の中に被相続人から特別に受益(贈与)を受けた者がいる場合には特別受益(贈与)を持戻して具体的な相続分を計算することとされています。

 

特別受益の持戻しは次の様に行われます。

①まず、各共同相続人が受けた特別受益(贈与)すべてを相続財産に持戻し(加算)して、被相続人の本来の相続財産(みなし相続財産)とします。

②このみなし相続財産を共同相続人の法定相続割合で分割します。・・・いわゆるみなし法定相続分となります。

③共同相続人は②のみなし相続分からすでに受けた特別受益分を控除した残額をその相続人の具体的相続分とします。

 

 

 

 

 

 

 

Q ・被相続人の相続発生時の財産・・・10,000万円

  ・生前贈与財産(法定相続人3)

        甲()・・・・5,000万円()

       乙(長男)・・・3,000万円()

        丙(長女)・・・2,000万円()

 

  A ・みなし相続財産

        10,0005,0003,0002,00020,000万円

    ・法定相続分をベースとした実際の相続分

         ()20,000×1/25,000()   =5,000万円

         ()20,000×1/2×1/23,000()2,000万円

         ()20,000×1/2×1/22,000()3,000万円

                        10,000万円(相続時の財産)

 

なお、婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人(一般的には夫)が妻に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について贈与していた場合は持戻しが免除された。

(平成30年改正)

特別受益や持ち戻しにつきご興味がある方は、北九州市八幡西区のWING税理士法人にお気軽にご相談下さい。

 

税理士

住田吉盛